【2009年 6月 の記事】
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僕たちの好きだった革命
今日は鴻上尚史さんの「僕たちの好きだった革命」というお芝居を見に行ってきました。

いや〜、前回書いたときからえらい日が経ってしまいました。
書きたいことは色々あるのだけど、ああも書こう、こうも書こうと思っているうちに、またまた日がどんどん過ぎていってしまうので、今日はもう熱が冷めないうちに、ドドドっと書いちゃいます。

そんなわけで、ネタバレや曖昧なところも色々ありますけど、どうかご容赦くださいませ。

どしゃぶりの中、山口市民会館に着くと、ロビーで歌声集会(?)と称して出演者の方々が「プカプカ」を唄っていらっしゃいましたが、なんとリズムの方の演奏されている楽器はカホン!

本物を見るのは初めてなので、思わずカホンに携帯のカメラを向けると「あの、すみませんが」と関係者の方に注意されてしまいました(><)す、スミマセン。つい。

ホールの中に入ると、ここでも舞台に中村雅俊さん含め、出演者の方が出ておられて、唄を歌ったり、踊ったり、話をしたり、ラフに過ごされていて(という演出なのですが)、なんだかちょっとドキドキ。

シャイな山口の観客たち(しかも年齢層結構高め)はどう対処していいのか判らずといった感じで、誰も舞台に寄るでもなく、パンフレットを見たり、舞台をチラ見しながら開演を待っていました。

さてお芝居は、高校時代学生運動の最中に機動隊に打たれて意識を失ってしまった中村雅俊さん扮する山崎が、30年後の1999年に意識を取り戻して、元の高校に復学。「ムカツク」の意味も判らない、まさに浦島太郎状態。

そんな中、文化祭の出し物にラッパーを呼ぼうとして学校に却下されたことをきっかけに、山崎の先導で「自分たちの文化祭をやろう!」という革命をおこす、というお話。(うーん、ちょっと違うかもしれないけど、だいたいそんな感じ(笑))

舞台のセットは殆どなく、横に引くタイプのカーテンが大活躍。カーテンを引いて場面を切り替えたり、カーテンを開けると別の場面になったり、カーテンが塀になったり、机をみんながそれぞれ持って入って教室ってことにしたり、田島玲子さん扮するレポーターがヘリコプターの被り物(笑)をして、上空からの撮影に見せかけたり、とにかく観客が想像力を駆使して背景を補う形で、お陰でセットの切り替え等の間が全く無く、テンポ良く話が進み、ものすごく効果的でした。

役者さんも一人二役は当たり前。三役も四役もこなしていて、「あ!あの人、さっき(笑)」と客席からヒソヒソ声が聞こえていました。

退学を恐れて集会から逃げ出して再び戻ってきた友達のことを「また参加したいなんて、あの子は逃げたのに許せる?」と問いかけるミク(片瀬那奈)に、「いや、逃げたんじゃないよ。あの子は自分に負けたんだ。だけど何度負けたっていいんだよ。最後に勝てばいいんだから」という山崎。

そして、「自分の好きなものを好きって言っていいんだよ。かつてビートルズを好きだっていったら、大人たちは不良になるからダメだって言った。だけど今ビートルズの曲は教科書に載っているじゃないか」

「子供のためだけに生きるなんて悲しいだろ。自分の生きがいを持てよ」

「誰もお前のせいだなんて思っていないさ。あの時のみんなが後悔していると思うのか?お前に言われたからじゃない。自分の望むことをやったんだから、後悔なんかないんだよ」

と、鴻上ワールド全開!!!
(しかもさりげにメッセージ性が強いところも、今回のテーマと合ってる)

随所に出てくるラップのリズムに何だか心が揺さぶられるし、お話も面白いし、舞台だけじゃなく客席も使いまくっての演出にどんどん引き込まれていって、正直シャイな山口の観客たちにはスタンディングオベーションなんてものすごくハードルが高いのですが、カーテンコールの時には、次々と観客が立ち上がっていって最後には拍手喝采でした。

役者さんたちがソデに戻っても拍手は鳴り止まず、再び出てこられた中村さんたちに熱い拍手を送り続けていると、ついには「お前らもう帰れ」「そうだ!帰れ!帰れ!」とシュプレヒコールを受け、「お前らが帰らんなら俺たちが帰る」と言われ、客席大爆笑で終了となりました。

いや〜、ものすごく楽しい時間を過ごさせてもらいました。

途中の休憩時間に後ろの席の声が聞こえてきたのだけど、みな口々に「これ面白いね〜」「どこからどこまでが劇なのか判らなくて可笑しいね(笑)」と大好評でした。

さて、私的に大注目だったのは高橋奈津季さん。
初めて見ましたけど、踊りがうまい!
ちょっとした場面での手つきや腰つきが、絶妙のメリハリと柔らかさで目が釘付けでした。また、どこかで彼女を観る機会が来るのを楽しみにします。


メグ Email 2009/06/29  comment(1) 日々の出来事