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久々の太宰治
最近Podcastingに朗読が増えてきました。

その中でも目だって多くなってきたのが太宰治の作品。
今年が太宰の生誕100周年にあたることから、
『ヴィヨンの妻』の映画化の話など最近色々と話題になっているようです。

実は私、卒論が太宰の女性独白体の研究だった関係で、
学生時代に太宰の作品は全て読破したのですが、
社会人になってからは、殆ど読まなくなっていたので、
Podcastingの朗読で久々に太宰の作品に触れて、
「いや〜、やっぱり太宰はいいわぁ。巧いわ」
と改めて感心しています。

太宰治というと、晩年に書いた『人間失格』『斜陽』が有名ですが、
実は太宰は中期の作品がとっても良いんですよ。

破滅型作家と言われた太宰も、中期は内容も明るく、ほのぼのとしたものが多く、
小説家として非常に充実していた時期でした。

太宰は女性が主人公の独白形式の作品がとても得意で、
『女生徒』という短編集は、そんな女性独白体の作品ばかりを集めた傑作です。

貧乏作家に同情して送った励ましの手紙を元に作品が書かれたと勘違いして
作家に会いに行くと、実際の作家は身なりも立派で、
あなたの手紙なんてと苦笑されて大恥を書く女性の話『恥』
http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/262_20045.html

体に沢山の赤い吹き出物が出来て、恐怖に身もだえする主婦の話『皮膚と心』
http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/267_34632.html

どちらも、超オススメ!(笑)
うふふふ、と笑えること請け合いです。

但し、旧かなづかいなので、慣れないとちょっと読みづらいかもです。

さて、その女性独白体で書かれた作品ばかりを集めた作品集、
『女生徒』の他に、『女性』という本があって、
実は私、この『女性』の初版本を持っているのです。

女性

昭和17年発行。5,000部刷られたうちの一冊で、
2円20銭と書いてあります。
67年も前に出版された本だと思うと、とても感慨深いです。

女性

学生時代にバイトをして買ったこの本、当時(24、5年前)12,000円だったのですが、
今はいったい幾らかな?
ネット時代で本も手に入りやすいし、安くなっているかな?
とふと思って、さっき調べてみました。

すると、なんと!
70,000円になっていました〜〜。
結構レア物のようで、太宰の作品の中でも高値がついているようです。

女性

うわ〜。
ダンボールに無造作に入れてあるけど、
これはちゃんと保存しておかなくては!!
メグ Email 2009/04/10 よく学び


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